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技術コラム
2025/1/22(水)
仕組み化から始めるデジタル化: 経理業務効率化の実践
本日は、いつもの技術コラムとは趣を変えて、「経理業務の仕組み化」をテーマに、当社の業務改善の取り組みについてご紹介します。
経理業務の効率化は、こうした本業とのシナジーを高め、会社全体の成長を支える大きなカギとなると考えています。
経理業務の重要性と課題
経理業務の主なミッションは以下の2点です:
- 経営層や部門長の意思決定に資する情報を提供すること。
- 日常業務を記録し、適切な税務申告を行う基盤を整えること。
さらに製造業の場合、これに加えて原価計算という特有の業務があります。製造原価を正確に計算することは、すなわち材料費や労務費、製造間接費といったコスト要素を的確に捉えることであり、それは改善の余地を見出し、生産効率を上げることに寄与します。
しかしながら、経理を含む事務業務には煩雑さや属人性という課題が付きものです。属人的な作業が多いと、情報が断片化し、原価計算や分析業務に十分な時間を割けないケースも少なくありません。
当社では、これらの課題を解決するために、業務棚卸とデジタル化を推進してきました。
1. 業務棚卸と作業の可視化
経理業務には伝票処理や帳簿記録といったルーティン作業のほか、請求書発行依頼や現場からの問い合わせなど、突発的なタスクも多く含まれます。これらを管理する仕組みが不十分だと、進捗状況が不明瞭になり、経営分析に必要なデータの準備にまで手が回らない、ということになりかねません。
よって当社では、経理業務を可視化する仕組みを構築しました。具体的には、毎月業務棚卸表を更新することですべての業務をExcelファイルに一覧化。社内共有フォルダを利用して、各タスクの進捗状況を記録・共有する運用を行いました。
さらに、近年ではMicrosoft Teamsを導入し、リアルタイムで複数人が同時編集できる環境を整備しました。この結果、タスクの進捗がタイムリーに把握できるようになり業務スピードの改善、および俗人化していた業務の改善に大きく寄与しました。
2. 会計ソフトの入れ替えとエビデンス管理の電子化
新しい基幹システムを導入するタイミングで、会計ソフトの刷新とエビデンス(請求書など会計に必要な証拠書類全般のこと)管理の電子化も進めました。これまでは紙の書類を大量に保管しており、スペース確保や情報検索に多くの時間とコストがかかっていました。
そこで従前紙で受領していた資料のPDF化を進め、会計ソフトにエビデンスを添付する仕組みに変更したことで、書類検索の時間はほぼゼロになり、会議体の資料準備にもスムーズに対応できるようになりました。あわせてペーパーレス化による環境負荷の軽減にも貢献しています。
当社では、これらの取り組みを土台に、さらなる業務改善を目指しています。
最後に
冒頭に載せているイラストは、生成AIを使用して描かれたものになります。仮にもし絵心のない私が1からイラスト作成を試みたとして、それと同等レベルの画像を完成させることは到底できなかったでしょう。もちろん細かい点にまでこだわったイラストやアニメーション等を作成したいケースをはじめ、人が時間をかけて作り上げるものには遠く及ばないことを実感させられる場面はまだまだ多いですが、それでも AI を実用的に活用できる業務の幅は着実に広がってきています。
今後も新たな技術を単なるブラックボックス化された便利なツールとしてではなく、用途別の向き不向き、またそれ自体が抱える問題等、そういった特性を考慮しながら適切に活用していくことで、より質の高いサービスを提供できるように努めてまいります。