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技術コラム

2024/6/6(木)

カッティングプロッターとは? – 基本から学ぶ最新技術

カッティングプロッターは、現代の製造業界において欠かすことのできないツールの1つですが、その詳しい技術的な側面までは把握していないケースも少なくないかと思われます。

当コラムでは、カッティングプロッターという機械の概観と打ち抜き加工との対比、また当社で実際に使用しているカッティングプロッター機の特徴を簡単に説明します。

カッティングプロッターとは?

カッティング (Cutting)」という単語は「切断」を意味し、「プロッター (Plotter)」はコンピューター上のデータを2次元または3次元の図形として出力する装置のことを指します。

それら2つの単語のつなぎ合わせに当たる「カッティングプロッター」は、おおよそ言葉の通り、コンピューター制御により材料を切断する機械となります。

CAD 等のソフトウェア使用による目的の形状データ作成まで完了すれば、その先の材料切断作業は以下の動画のように、カッティングプロッターが自動でおこなってくれます。

打ち抜き加工とカッティングプロッターによる加工の違い

「材料の打ち抜き」と「カッティングプロッターによる材料の切断」は、どちらも両面テープ、フィルム、クッション、紙などの材料を切断するという点で共通しています。

しかしそれぞれの加工方法には異なる強みと弱みがあり、場面に応じた適切な使い分けが必要です。

では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

打ち抜き加工

カッティングプロッター

加工方法

型とプレス機を使用して材料を打ち抜く加工方法型を使用せず、コンピューター制御によって動くカッター刃で材料を切断する加工方法

初期コスト

型を必要とするため初期コストが高い型を必要としないため、初期コストが低い

運用コスト

大量生産に優れているため、生産数が多ければ多いほどコスト減大量生産には向いていないため、生産数が増えるほどコスト増

精度

材料に合わせて、刃の高さや角度を自由に設定することができ、高い精度での加工が可能角度を自由に設定することができず、材料によって得意不得意が分かれてしまう

用途

大量生産に使用検証や少量生産に使用

納期

型を作製する必要があるため、即日対応は不可能型を作製する必要がないので、材料があれば即日対応も可能

このように打ち抜き加工は、高精度で大量生産が求められる場合に適しております。

金型を使用するため初期コストは、高いものの、長期的なコストパフォーマンスには優れるといえます。

一方カッティングプロッターは、材料によって得意不得意はあるものの、金型が不要なため初期コストが低く柔軟に対応することが可能です。

このことから、検証や少量生産には、優れているといえます。

当社で使用しているカッティングプロッター機の特徴を解説!

当社が使用しているカッティングプロッター機では、様々な材料や用途に合わせて、3種類のカッター刃が使用されます。

以下の表にそれぞれのカッター刃の特徴などをまとめましたので、ご覧ください。

偏芯(ヘンシン)カッター

タンジェンシャルカッター

レシプロカッター

特徴

総抜(フルカット)、半抜き(ハーフカット)をすることが可能カット圧を低圧~高圧まで細かく調整することができるため、厚みのある材料をカットすることが可能カッター刃を振動させながら切るため、より厚みのある材料をカットすることが可能

適した材料

両面テープ、フィルム、紙などコートボール、フィルム、ゴム、両面テープ、段ボール、発砲ボードなど段ボール、ウッドラック、スポンジ、発砲品など

寸法精度

カット圧力

30~1000g500~1,500g1,500g

最大カット厚

~1㎜

※材料によって異なります。

~2㎜

※材料によって異なります。

~10㎜

※材料によって異なります。

最大振動回数

約3,000往復/分

振動ストローク

5㎜

上記の表のようにカッター刃1つ1つに様々な特徴があり材料や用途に合わせて適切に選定する必要があります。

そのため当社では、これまで培ってきた、材料知識・適切な刃物選定・加工方法を日々追求し、お客様により安価でより良い品物を提供できるよう試行錯誤を繰り返しております。

当コラムを通じて、少しでも当社に興味をもっていただければ幸いです。